安田川で47センチの魚が釣れた情報
5年ほど前に高知県安田川のアマゴ釣り解禁で、エサ釣りに47センチの白っぽい魚が釣れたとのことです。当時、釣り人の間では、それはサツキマスだ、いやアマゴだという論争が起きたらしいのですが決着のつかぬまま伝説となっているようです。それを釣り上げた方が遠方から来た釣り人であったため詳細はわかりませんが、本当のところはどうだったのかを改めてここで考察してみたいと思います。
- アマゴとは
- サツキマスとは
- 47センチを釣った人の証言
- 結論
アマゴとは
アマゴ とはサケ科サケ亜科サケ属に属す日本固有種で、静岡県以西の本州太平洋岸及び四国全域に分布します。関西の日本海側から東日本にかけて生息するヤマメとは違い、赤い斑点が体側に並んでいます。渓流釣りの対象魚で釣り人に人気があり、現在盛んに放流がなされて山間部の河川では自然繁殖もするようにもなっています。10~11月に産卵して、ふ化すると泳ぎ出すまでに3~4ヶ月、翌春3~5月には体長2~3cmほどに成長した稚魚がカゲロウなどの幼虫を食べるようになり、大きくなると陸生の落下昆虫なども食べるようになります。アマゴの寿命は3年から5年と言われており、多くは卵を産んでから死なないとのことです。大きくなると模様は薄れてきて白っぽくなります。
サツキマスとは
サツキマスとはアマゴが海に下って大きくなった魚です。アマゴは河川に残る陸封型と海に下る降海型とがありますが、この降海型は川にいるときに生存競争に弱くエサの豊富な海に下るとも言われています。いじめられっ子だったのび太が海に下ってジャイアンに変身して遡上してくる感じですね。降海型のアマゴは10~11月に産卵して孵化すると翌年の11月から12月に海に下ります。海で小魚を捕食して30センチもの大きなサツキマスへと変貌すると4~5月に遡上してきます。そして、ひと夏を川で過ごすと秋に産卵をして一生を終えます。サツキマスになると銀毛(ぎんけ)してアマゴの特徴であるパーマークが消え銀色の魚になります。
47センチを釣った人の証言
「鼻曲りだった」とのことです。つまり雄だったのでしょう。降海型は基本的に雌です。
釣った場所は安田川の上流部にある馬路橋の5キロぐらい手前のところだそうです。ちなみに安田川の河口から馬路村までは約20キロメートルです。
結論
鼻曲がりで雄だということ。また、釣れたのが3月1日解禁日であったことなどからサツキマスではないと思われます。ただし、アマゴの47センチというのはいくらなんでも大きすぎます! もし本当に安田川のような小さな川でそんな巨大なアマゴが育って残っていたとしたら奇跡だと思いますね。
私が小学生の頃なのでもう半世紀ほども前のことです。同級生らと安田川の最上流部で尺アマゴを捕まえたことがあります。源流の滝つぼに潜り石の下に潜んだ大アマゴに向けて4人が一斉に水中銃を次々に撃ち込んだのです。魚体に何発も撃ち込まれた大アマゴはあえなく動きを止めました。昔はそんな大きなアマゴが安田川のあちこちにいたのだと思います。
また現在の話に戻りますが、今年の安田川の解禁に友人らとアマゴ釣りに行きました。その時にS君が淵の中から大きなアマゴを足元まで寄せてタモ網にすくおうとした時に切られました。そのアマゴは確実に尺はあったとのことです。47センチのポイントからは少し上流です。が、やはりそのような巨大なものが大岩の下に潜んでいるのでしょう。
後で旧友に聞いた話では数年前もその淵にサツキマスが溜まり込んで話題になったことがあったとのこと。村人数人が潜水して調べたところ、その淵の一番奥に地下水が湧き出るところがあって水温が低くなっている場所にサツキマスが群れていたとのことです。
S君のもアマゴだったのかサツキマスだったのかはわかりませんが、噂は広まりましたのでやがてまた誰かが釣り上げることでしょう。
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