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鮎釣り解禁に向けての水中糸を考える

 鮎釣りの水中糸ラインナップは百花繚乱で皆さん非常に悩まれるところかと思います。

 ここでは、水中糸の種類やそのメリット・デメリット、どのような条件の時にどんな水中糸が優位なのかを鮎釣りの解禁から初期に限って考えてみたいと思います。

目次

鮎釣りの水中糸にはどのようなものがあるか

 鮎釣りの水中糸にはナイロンライン、フロロカーボンライン、複合メタルライン、単線金属ライン、PEライン、ハイテクラインがあります。最近では複合メタルラインの進化が著しく釣り人からの需要ももっとも高い製品となっています。

 しかしながら川の状態や鮎の生息状況によってはナイロンラインやフロロカーボンラインの方が良く釣れる場合もありその選択は千差万別です。以下、順に見ていきましょう。

ナイロンライン

 ナイロンはライン自体が柔らかいので扱いやすく結び目もよく締まります。が、吸水性が高く劣化しやすいため、使用はせいぜい一日限りと考えてください。目印を強く締めすぎていると水分を吸ったナイロンの径が大きくなって目印が動かなくなる場合さえあります。

 比重が小さいためトロ場の泳がせ釣りに向いていますが、瀬には沈みにくいです。ただし解禁当初に極細の0.1号などを使う場合には瀬にも沈みます。鮎サイズが17センチぐらいまでなら十分引き抜けます。

 鮎釣りは「底をとれ」が鉄則なのですが、有田川ダム上などの完全放流河川ではまだ放流されたばかりの鮎は群れて底から少し上の層を泳いでいます。なので、比重の軽いナイロンラインやフロロカーボンラインで泳がせるほうが比重の大きな複合ラインよりも掛かりが良いと言われています。

 以下にナイロンラインの製品を安価な順で表に示します。

フロロカーボンライン

 ナイロンラインに比べると比重も大きく瀬にも沈みやすいです。単純な引張強度はナイロンの方が大きいですが根ズレに関してはフロロカーボンの方がナイロンの2倍の強度を持つともいわれています。

 伸びが少ないため鮎が掛かった時の感度も良く、水と屈折率が近いため水中では見えにくいと言われています。ただし研究者によると鮎の視力は弱いらしいのでそこは気にしなくてもよいと思います。

 以下にフロロカーボンラインの製品を安価な順で表に示します。

 私の印象ではナイロンラインよりもフロロカーボンラインを使う釣り人の方が断然多いと思います。それはトロ場の泳がせも瀬釣りもオールマイティにこなせるからでしょう。が、ナイロンラインとフロロカーボンラインのどちらの水中糸につながれたオトリ鮎が自然に泳ぐのか? と訊かれれば私は経験上ナイロンラインと答えます。なので、根ズレのリスクが少ないポイントで泳がせ釣りをする場合にはナイロンラインの方に分があると私は思っています。

複合メタルライン、単線金属ライン、PEライン、ハイテクライン

 現在の鮎釣りの水中糸は複合メタルライン全盛期と言っていいでしょう。そのラインナップも目を見張るものがあります。シマノのメタキングナノは0.006号と表示を見間違えたのかと思うほどの号数です。また、オーナーのザイトメルファブレイドTGⅡはタングステンラインで比重19と重さを極めています。かつて隆盛を見た単線金属ラインが激減したのは時代の流れと言うものでしょう。鮎釣り大会でキンクやパーマに泣いた方もたくさんいるはずです。

 水中糸を選択するときの要素として、糸径、直線強度、価格などがあげられますが複合メタルラインには糸径の表示がありません。

 この理由のひとつに、複合メタルラインが太さ表示の規格が決められない時期から次々と新製品が販売されたことがあげられます。規格が無いため各社から出された糸の太さが同じ0.5号でも違うのです。そこで日本釣用品工業会の釣糸ワーキンググループが独自の規格を作り統一しようとしましたが未だ悉皆には至っていないとのことです。

 また、複合メタルラインはいくつかの素材を撚り合わせたり直線方向に組み合せたりして作っています。なので強くなるかわりに太くなりますし、拡大してみれば凸凹で均一円柱にはなっていないのです。このためナイロンラインやフロロカーボンラインのように的確な太さ表示が号数に反映されにくいということがあります。

 言えることは複合メタルラインはナイロンラインやフロロカーボンラインの同じ号数のものよりか糸径は太くなっています。

 糸径が表示されていた製品ではダイワのハイパーMステージEXの0.05号が標準直径0.054mmでした。これはナイロンラインではオーナーのザイト鮎の0.1号標準直径0.053mmに相当し、フロロカーボンラインでもオーナーのザイトフロロ鮎の0.1号標準直径0.053mmに相当します。糸径について気になる方はメーカーに問い合わせれば教えてくれる場合もあるようです。

 また、複合メタルラインは素材や製造方法からも価格にばらつきがあります。ナイロンラインやフロロカーボンラインよりもかなり高価です。以下に安価な順に表を並べ替えてみたので参考にしてください。

 私の印象では、数年前と比べて極端に比重の一番大きなタングステン糸が減りました。タングステンは瀬の引き釣りではオモリいらずで根掛かりなどの心配も減りますが、糸が重たすぎるのか鮎が自然に泳ぎません。石浦や淀みではオトリ鮎が死んだのではないかと思うほど動きません。このような経験から私は少し敬遠し始めているのですが皆さんはいかがでしょうか。

私の解禁の水中糸

 私の解禁日の水中糸は鮎釣りを始めた20数年前から順に振り返ると、最初はナイロンラインの0.3号に始まり、次にフロロカーボンラインの0.175号となり、単線金属ラインの0.1号から徐々に細くなって0.05号までいきました。それが、7年前に考えるところがあってナイロンラインの0.1号となり、今度はフロロカーボンラインの0.1号となり、三年前からはシマノのメタキングナノの0.01号、去年は0.006号、今年は0.008号にしようかどうか迷っています。

 私のエポックはダイワのスペシャルZDを購入してナイロンラインの0.1号にした7年前です。このふにゃふにゃ竿なら大丈夫、単価の安いナイロンの極細で行こうと考えました。ところが、ナイロンラインは劣化が激しく半日もたないこともありました。いくら複合メタルラインの十分の一の価格とはいえ、複合メタルラインが10回釣行に耐えてナイロンラインが毎回交換なら同じです。事実、複合メタルラインは軽く10回釣行は持ち堪えました。

 コスパを考え翌年からフロロカーボンラインの0.1号に変えました。ナイロンラインよりかはましでしたが細さ故にこれもコスパはさほど高くありません。もちろんコスパだけで糸を選んでいるわけではありませんが、解禁直後はどんな糸でも細ければほとんど変わらないような気になってきたのです。

 それで、シマノにメタキングナノという驚くほど小さい号数の糸があることを知ってシフトしました。計測はしていませんが確かに見た感じも細いのです。で、これで落ち着いたように思われたのですが、使っているうちにやはりオトリ鮎の泳ぎはナイロンラインが一番自然だと再認識しました。次にフロロカーボンライン、その次にメタキングナノとの結論に至っています。

 ブログ記事の目的は記述することで自分の頭の中をスッキリさせるつもりだったのですが、結局自分がまだ迷っていてこの三種類の仕掛けを作って解禁に臨む予定となってしまいました。

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この記事を書いた人

高知の山村に生まれ海の仕事に就き幼い頃から川や海で釣りをしています。近畿エリアを中心にグレ釣りアマゴ釣りアユ釣りで年間100日釣行。これまでの経験を活かして役に立つ楽しい記事作りに努めたいと思います。

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